夕影


 
















                          

青いとき


 














                          

月光のしたたり


 

淡い縞模様の雲が 夕暮れに向かって ゆっくり流れてゆき

澄み切った寒空に 夕焼けが こうこうと 照りかがやき

青い生命を載せて 今日も 夕陽が沈んでゆく

 

坂道の遠くの 街路灯の明りが 氷柱のようにひかり

寒風に吹かれて 山茶花の赤い花が さわさわとふるえ

漆黒の暗闇に 寂しい魂魄が 夢のように 吸い込まれてゆく

 

白く冴えわたった 凍てつく夜に 

青白い月の光が しんしんと 冬木立にしたたりおち 

その月光を浴びて 寒椿がぼうっと浮かび上がり 白露が輝き始める

 

まるで 虚無の漂泊者のように 冬の夜はひっそりと 過ぎてゆき

永遠にさまよう 遠い昔の青い瞳は あの月の夜に とぼとぼと 

砂丘を越えていった駱駝を いつまでも 探していた

 

 

            奈津光平の詩「月光のしたたり」より