魂魄


 

遥か彼方まで 

青白い冬が続いている

吐く息が白い

冷たい風が耳朶を切る  

からだの芯が凍える

命の灯火が 

いまここで消えてしましいそうだ

 

わたしは 酷寒の風が吹きすさぶなかで

ふるえながら 輪廻について考えていた

 

遠いときのなかで 

魂魄は 森羅万象のなかに宿り 

その魂魄が 人間に姿をかえて

生命の遍歴を始めるのだ   

 

ゆめまぼろしのなかで 

喜怒哀楽の糸がもつれながら 

春秋の日々はめぐり去り

人間はうまれ故郷の自然に還ってゆく  

 

わたしは 

凍える慟哭のはてのはてに  

わななきながら 

ただ茫然と 祈りを捧げていた

 

奈津光平の詩「魂魄」より