太陽の光や豊かなみどりや爽やかな風など魂を揺さぶる風景は、こころの奥底に沁みわたり、それが言葉になって詩が生まれます。詩はこころの風景です。言葉で紡がれたこころの風景を画像と一緒に楽しんでいただけたなら幸甚に存じます。
碧天高く 泳いでいる うろこ雲やさしい陽光が うす桃色のコスモスにさわさわと 降りそそいでいる 秋風が ひんやりと 稲穂を吹きぬけ あんなにも かしましかった蝉は もうどこにもいない ああ 無常のときのなかに楽しい夏の夢は 無残にも .死滅してしまった 残されているのは蟋蟀が切なく 鳴いている 露草の蔭淵に夢の亡骸を 手厚く葬り巡りくる至福のときに もう一度出会えるまで石ころだらけの道を とぼとぼと歩いてゆくより 仕方がない 奈津光平の詩「石ころ」より
碧天高く 泳いでいる うろこ雲
やさしい陽光が うす桃色のコスモスに
さわさわと 降りそそいでいる
秋風が ひんやりと 稲穂を吹きぬけ
あんなにも かしましかった蝉は
もうどこにもいない
ああ 無常のときのなかに
楽しい夏の夢は 無残にも .死滅してしまった
残されているのは
蟋蟀が切なく 鳴いている 露草の蔭淵に
夢の亡骸を 手厚く葬り
巡りくる至福のときに もう一度出会えるまで
石ころだらけの道を とぼとぼと歩いてゆくより 仕方がない
奈津光平の詩「石ころ」より