冬の夜


 


お洒落な店が立ち並ぶ ときめきの赤い街

どこからか あまい歌声が流れきて 

クリスマスツリーに飾られたイルミネーションが

生霊(いきすだま)のように 暗闇のなかに 冴え冴えとひかっている

 

繁華な夜の街には 

色とりどりの鮮やかな ネオンサインがきらめき 

自動車のヘッドライトの帯が きらきらとながれゆき

まぶしいほど 人工の光があふれている

 

それでも 街外れに来ると 

電線が つめたい風に鳴りひびき  

しんと 冴えわたった夜空に 

オリオン座やこいぬ座が 赤く輝いている 

暗闇を切り取ったように ぼんやりともる街燈の下から 

栗毛の子猫が すばやく道路を横切り

草叢のなかに隠れて行った

 

黄色い銀杏の枯葉が舞い散る舗道の

足元に冬がこごえ 夜はしんしんと更けてゆく

できるものなら 赤い土のなかで 

春がくるまで なんにもなしに 眠っていたい

 

 

奈津光平の詩「冬の夜」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         

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