春のあかり



 

冷たい風に吹かれて

寒そうに立ちすくんでいるヒマラヤ杉

物干し竿に氷柱(つらら)がひかり 

池にうすく氷が張る 

 

あたりいちめん いつも見慣れた冬景色

それでも

踏切の警笛が鳴るたびに

さくらの小枝の冬芽が かすかにふくらんでいる 

 

春風が吹くまでに

生命が すこしづづ 削られていっても

春のほかほか陽気が 

凍えた魂を スルメのように伸ばしてくれる 

 

日の暮れるのが ゆっくりと遅くなり

春はもうそこまで

やわらかな陽光にまた逢える 

嬉しいことがもう一度始まる 

 

 

奈津光平の詩「春のあかり」より

 











 

 

                         

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