向日葵


 

真っ黄色の向日葵に 真夏の光がはじけている

遠い青空に 真っ白な入道雲がそびえている

 

坊主頭の真っ黒に日焼けした少年が

ローラースケートで遊んでいた

少年は コンクリートの坂道を滑りながら

炎のような向日葵を眺めていた

向日葵は ローラースケートが滑るたびに

少年に近づきそして遠ざかった

 

少年はひとりぽっちだった

 

スケート遊びに飽きた少年は

けだるい汗をたらしながら 海辺へ行った

火傷するような砂地を踏んで

波打ち際まで歩いて行った

真夏の海は 痛いほど透明な陽光を

鏡のように キラキラと反射させながら

うねるような大きな波を打ち寄せていた

 

少年は 真っ赤な大気を 胸いっぱい吸い込んで

おかあさああん と大声で叫んでみた

 

この向日葵が赤く燃える少年の日は

もう二度と戻ってこなかった

 

 

奈津光平の詩「向日葵」より

 

 

 

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