流浪


 

紺碧の大空から 金色の陽光が 

わたしの背中に さわさわと降りそそぎ

おさない命の光る水田に さわやかなみどりの風が吹きわたる

 

太陽の孤独を感じながら  

遠いまぼろしの故郷を探しに どこまでもさまよいゆく

ふと 

赤い花のゆれる夾竹桃のような 寄る辺のない不安に襲われて

生命の暗闇の深淵を そっと覗いてみると

生まれてきた哀しみに 無垢な魂が さめざめと慟哭していた

 

もうどこにも 魚釣りをして遊んだ 故郷はないけれど

この砂埃の舞い散る白い地道を 入道雲の果てまで歩いてゆけば

きっと 容赦なく真っ赤な太陽が降り落ちる 終焉の土地にたどり着くだろう

 

そこに わびしい茅葺の庵を結び 透明な蛍火が揺れる 

露草の影で いつの日にか 光になることを夢見ながら 

さみしい陽炎のように ひっそりと暮らしてゆきたい

 

                奈津光平の詩「流浪」より

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