余命


   

晩秋の青白い陽光の降る さみしい街路に 

ケヤキの落葉が 秋風にくるくると舞って

忘却の彼方へ 吹きとばされてゆく

 

もうすぐすると 冷徹な冬が 

素知らぬ顔をして 一片の慈悲すら粉砕し 

あたり一面 酷寒の景色に変えてしまう

 

峻厳な寒風が 吹き荒れるときは

凍える魂を なだめながら 冬の過ぎゆくのを 

ただじっと 耐えるよりほかに 生きてゆく 手立てはない

 

それでも 春光がきらめく その前に

ときが魂魄を乗せて 闇の中に過ぎゆくかもしれない

ああ この世の まぼろしのなかで

宇宙の微塵のように 同じことを 何度考えたか分からない

 

          奈津光平の詩「余命」より

 

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