再生


 

大空は 蒼く深く澄みわたり

あおあおと茂っていた銀杏並木も いつのまにか黄色くなった  

もうすぐ 北風に吹き飛ばされて 

自動車のフロントガラスに 黄色い雨を降らすことだろう

 

でこぼこのアスファルト歩道に

津波のように繁茂している セイタカアワダチソウが

わがもの顔で秋を貪っている

きっと 日本の秋は 居心地がよいのだろう

 

冷たい空気に触れながら まっすぐの道を今日も歩く

いま生きていることを こころのなかで反芻(はんすう)する

今のときは 昔のときに繋がっている 

だから そのときを手繰(たぐ)り寄せれば 

昔のときに逢えるかもしれない

だけども 戻ってはこないときを 取り戻したいと思念することは哀しい

 

柩(ひつぎ)のような寂寥のなかに 自分の影だけを追いながら歩いている

そうして いつかは 

忽然(こつぜん)と わたしの姿は この世から消えてしまう

その後に 

神々しい光の中に飛翔する まぼろしの鸞(らん)のように 

わたしの魂は 清らかに再生するのだろうか

 

 

奈津光平の詩「再生」より

 

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