別離


 

暖かい陽光につつまれて 

レンギョウの花が 真っ黄色に咲き乱れ

楽しい春が あたりいちめんに みち溢れている

 

こんな ほかほか陽気の中にいても 

どうしてなのだろう

この広い宇宙に ただ独り取り残されたような

言いようのない 寂寥感に襲われる

 

生まれる前の わたしの生存していなっかったときは

得体が知れず とても恐ろしい

そこには 赤ん坊のお母さんが お乳を飲み

その赤ん坊を産んだ ぴちぴち肌のお婆さんが笑っている

 

生命を得たことは とおい夢の始まりであっても

まぶしくかがやく 透明な春の光に照らされて

わたしというときのなかに わたしという存在が 

今こうして 生きていることは はっきりと確信できる

 

いつの日にか その巡りくる順番がきたならば

寸断もせずに 無限の未来に流れてゆく 永劫の宇宙の中に 

そおっと ありがとうの言葉を残して 

警笛のけたたましく鳴り響く 銀河鉄道の旅に出よう

    

                         奈津光平の詩「別離」より

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