嗄声


 

大空が とてつもなく碧い

潤いしたたる 太陽光線

くっきりと歩道におちる 光と影

 

秋楡並木の なだらかな坂道の

いくあてのない 寂しさ

背中をまるめ 俯きながら歩いてゆく

 

絆の味は おいしいのだろうか

そんな 虚妄に束縛されるなんてくだらない 

舌鼓したいのは 無垢の味

 

ひとりぽっちの 気楽な自由

無言の沈黙のなかで 嗄声(させい)になっても

そんなことに どこが淋しいのだろう

 

死人には 死に方はわからない

老後も独り 墓場まで独り 

なんと 素敵なことよ

   

     奈津光平の詩「嗄声」より

 

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